日本人の3人に1人は頭痛持ちと言われるほど、頭痛は身近なものです。
しかしその種類は様々で、それぞれに対処法も異なります。
みなさんの頭痛は、どの種類にあてはまりますか?
今回は頭痛の種類についてお話していきます。
頭痛の分類は?
① 一次性頭痛:明確な病気がないのに繰り返し起こる頭痛
② 二次性頭痛;病気が原因で起こる頭痛
大きく分けてこの2種類があります。
さらにそれぞれにいくつかの種類に分ける事ができます。
一次性頭痛にはどんなものがあるの?
① 緊張型頭痛
頭痛の中で、1番多いのが緊張型頭痛です。
日本には約 2000 万人の患者さんがいるとされています。
首から方にかけての筋肉の凝りやハリによって神経が刺激され痛みが起こると考えら
れています。
後頭部を中心に、頭全体が締め付けられるような痛みがあるのが特徴です。
時に、肩や首のこりを伴うこともあります。
生活習慣の見直しが基本です。
1. 長時間の同じ姿勢
2.悪い姿勢
3.体に合わない枕
4.運動不足
これらを改善できるよう努めましょう。
一般に、体を温めると楽になります。
生活習慣を見直しても症状が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。
② 片頭痛
日本では片頭痛がある人は約 840 万人と言われ、20 代~40 代の女性に特に多いです。
ズキズキと脈打つような痛みがあり、体を動かすと症状が悪化するのが特徴で、
頭の片側が痛む人が 6 割、療法が痛む人が 4 割とされています。
痛みの持続時間は 4~72 時間と、個人差が大きいです。
月経や寝不足、ストレス、天候などの誘因として、脳の働きになんらかの変化が起こる
と痛みが発生すると考えられています。
頭痛が起こる前にチカチカした光が見える人もいます。
治療の中心は薬物療法です。
家では頭を冷やして対処し、医療機関を受診しましょう。
③ 群発頭痛
20 代~40 代の男性に多いのが特徴で、片側のみに目がえぐられるようなとても激しい
痛みが起こります。
涙や鼻水が止まらないなどの症状を伴う事もあります。
1度症状が出ると、その後 1~2 カ月、ほぼ毎日同じ時間帯に頭痛が起きるようになり
ます。(これを群発期と呼びます)
痛みは 15~180 分程続き、日常生活に影響を及ぼす事もしばしば。
ヒトの体にある体内時計が影響していると考えられています。
しかしこの群発頭痛には、くも膜下出血や髄膜炎、脳腫瘍などの大きな脳の病気が隠れ
ている事もあります。
初めて激しい頭痛を起こした場合、1~2 時間で症状が治まらないなど、群発頭痛の典型
的な症状に当てはまらない症状がある場合は、神経内科や脳神経外科、必要に応じて救
急外来を受診してください。
二次性頭痛はどんなもの?
二日酔いで起こる頭痛、くも膜下出血などの脳の病気がもとで起こる命の危険にもつな
がる頭痛、精神疾患による頭痛や高血圧を原因とした体の調節機能の障害による頭痛など、
種類は様々です。
気を付けたい頭痛
上に紹介した以外にも、こんな事をきっかけに起こる頭痛もあります。
みなさんの生活に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
① 薬の使い過ぎによる頭痛
1. もともと頭痛持ち
2.月に 15 日以上頭痛がある
3.痛み止めや片頭痛の薬を月に10 日以上飲む状態が 3 カ月以上続いている
これらにあてはまる場合には、薬の飲みすぎによる頭痛の可能性があります。
薬を飲む頻度が高いほど起こりやすくなります。
自分で解決する事は難しいので、専門外来や神経内科などの専門医を受診してくださ
い。
② 熱中症による頭痛
めまいや立ち眩み、筋肉のツリや痙攣、頭痛、嘔吐などの症状を伴う場合には、熱中症
による頭痛の可能性があります。
涼しい場所で、衣服を緩めて休みましょう。
体の太い血管を冷やし、水分・塩分の補給が重要です。
③ マスク頭痛
マスクの着用により、呼吸時の空気は酸素は約 87%に減少し、二酸化炭素は約 30 倍に
増加します。
マスク紐によって耳が痛い・蒸し暑いなどの不快な要素が、ひいては頭痛につながって
いるのです。
マスクを外す事が最も有効な解決手段の為、感染対策を柔軟に考え、マスクを外せる時
間を作れるようにしましょう。
たとえ 30 秒しかはずせなくても、効果があります。
上手に取り入れましょう。
まとめ
「頭痛」と一言で言っても、こんなにたくさんの種類の頭痛があります。
痛みの程度は個人差が大きい事も、周囲の理解が必要です。
それぞれの頭痛の種類によって、その対処法は様々で、いろいろな方法を試してみてくださ
い。
日常生活に支障をきたす程度の場合には医療機関の受診が必要ですが、ある程度は付き合
っていかなければならないもの。
その為にはまず自分の頭痛がどの種類に当てはまるのか知るところからがスタートです。
あなたも今日から自分に合った対処法で、うまく頭痛と付き合っていきましょう。