脱水による頭痛の症状はどうして起こるの?


「脱水」という言葉、よく耳にしますよね。

きっとみなさん、脱水による頭痛を経験したことがあるのではないでしょうか。

今まではなんとなく、脱水だから頭痛がするのかな…と思ってきていたけれど、今回はその脱水に関連して起こる頭痛について、理由を説明したいと思います。


脱水ってどんな状態?

そもそも、脱水とはどのような状態でしょうか。

字のごとく、体から水が抜けた状態の事…と想像できますが、厳密には「体液が失われ、必要な水分と電解質が不足している状態」のことを指します。

人間の生命維持に欠かすことができない水分は、体重の 1~2%程度の減少であっても症状が現れ始めます。

水分量を一定に保つことが重要なのですね。


脱水の症状は?

では脱水になると、どのような症状が現れるのでしょうか?

初期の自覚症状として、「のどが渇く」「なんとなく体がだるい」「立ち眩みがする」「頭が痛い」ことから始まり、さらに症状が進むと「皮膚や唇、舌が乾燥してくる」「皮膚の張りがなくなる」「微熱が出る」などがみられるようになります。

ここまでの間にほとんどの人が水分をとるなどの対処をするのですが、それでも症状が進んでしまうと「頻脈になる」「血圧が下がる」「体の力が抜ける」「意識障害があらわれる」などの重症症状につながってしまうこともあります。

重症症状につながらないよう、適切なタイミングと、適切な方法で対処していく必要があります。


どうして頭痛が起こるの?

脱水状態で頭痛が起こる原因、それは「血管拡張」です。

体の水分が不足すると、血液はぎゅっと濃縮され、流れが悪くなってしまいます。

人間の体はどの臓器も血液をもとに活動している為、血液不足は大問題なのです。

特に脳には様々な複雑な働きがあり、たくさんの血液が必要となります。

そこで私たちの体は、少しでも血液をたくさん運ぶ為、脳の血管を拡張させるのです。

脳の血管が拡張すると、その周囲にある神経を刺激してしまいます。

結果、その刺激によって頭痛や吐き気が起こります。

主に吐き気を伴う頭痛には別の病気が隠れていると言われることも多いですが、脱水でも頭痛が起こるという事を頭に入れておくと、いざという時に冷静に対処できるのではないでしょうか。


対処法

では、頭痛があらわれてしまった場合の対処法についてお話します。

いますぐにでもその頭痛を何とかしたい所ですが、そもそもの原因は脱水状態である為、まずは脱水症状に対する対応が必要です。

はじめにお話しした通り、脱水とは水分と電解質の不足です。

その為、ただ単に水を飲んでいるだけでは電解質が不足しています。

水を補うことはもちろんですが、同時に電解質も補う必要があります。

ここで登場するのがみなさんご存じの「スポーツドリンク」です。

成分表を見てもらうと分かりますが、様々な電解質を含んでおり、脱水状態の体にはもってこいなのです。

少し気を付けたいのは、このスポーツドリンクには多量の糖分や塩分も含まれています。

糖尿病や高血圧などの持病がある方は、経口補水液をおすすめします。

もし気分が悪く一度に大量に飲めない時は、少しずつ頻回に摂取し、トータル量を増やしていきましょう。

次に頭痛についての対処法です。

血管が拡張することに伴う痛みなので、冷やすと楽になります。

涼しい場所で安静に過ごしましょう。

頭だけでなく、首筋やわきの下、足の付け根などの太い血管の通る場所を冷やすのも効果的です。

どうしても薬を飲みたくなってしまいますが、脱水による頭痛は二次的に起こっているものなので、頭痛薬はあまり効果的はありません。

それどころか、脱水で弱っている腎臓にさらに負担をかけることになってしまうので、グッとこらえましょう。

脱水状態が改善すれば、頭痛も必ず良くなります。


症状が治らない時はどうすればいいの?

水分補給をしたのにまったく症状が良くならない、またはどんどん悪くなっていく…

そんな時は、中等度以上の脱水状態になってしまっていると考えられます。

口から水分をとるだけでは、電解質の補正が追いつかない状態ですので、病院で点滴治療を受ける必要があります。

早めに受診するようにしましょう。


まとめ

頭痛はとても不快なもので、今すぐにでもどうにかしたいですよね。

サクッと頭痛薬を飲んでしまおうと考えがちですが、脱水による頭痛の時にはそこをグッとこらえ、適切な対処法をとりましょう。

必ず良くなります。

スポーツなど明らかな運動をしていなくても起こる可能性のある脱水。

みなさんの対処の参考にしてみてください。

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