なかなか治らない…その頭痛、もしかすると副鼻腔炎かも?


何だか頭が痛い…最近ひいた風邪がなかなか治らないのかな…

なんて思っている方、実はその頭痛は風邪が原因ではないかもしれません。

「副鼻腔炎」という言葉をご存じでしょうか?

ちまたでは「蓄膿」と呼ばれている病気の正式名称です。

今回は蓄膿と頭痛の関係についてお話します。


あなたの頭痛、痛む場所はどこですか?

頭が痛い…と思った時、その頭痛の特徴について思い返してみてください。

痛む場所はこめかみや目の奥、おでこではありませんか?

たくさんある頭痛の中でも、これらの場所が痛む場合には、副鼻腔炎の可能性があります。


副鼻腔炎ってどんな病気?

人の鼻は鼻腔と副鼻腔で構成されています。

鼻腔とは簡単に言うと鼻の穴と呼んでいる場所のことです。

それに対して副鼻腔は、鼻の穴よりもさらに体の内側にあり、その表面は薄い粘膜から粘液を出しています。

繊毛という小さな毛がたくさん生えていて、出された粘液を鼻の穴に押し出す働きがあります。

副鼻腔炎には、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎とがあります。

急性副鼻腔炎は風邪などの細菌やウイルスに感染したことが原因で起こり、鼻腔に炎症を起こして鼻腔へ粘液がうまく排出できなくなった状態です。

排出できなくなった粘液が副鼻腔の中に蓄積し、最近の繁殖から海がたまり発症します。

黄色のドロッとした鼻水が出るというのが特徴です。

だいたい1カ月ほどで治ります。

一方、慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎がなかなか良くならず長引いたものや、繰り返し起こる急性副鼻腔炎によって症状が3カ月以上にわたって続く副鼻腔炎をさします。

アレルギー体質の人がかかりやすいのが特徴で、効果がある薬はステロイドのみです。

しかし、ステロイドの服用をやめるとまたすぐに症状が出現し、根治するのがとても難しいのが現状です。

現在もなお根治に対する研究が続けられています。

副鼻腔炎の診断は、CT やレントゲン撮影、直接カメラでのぞくことなどで行われます。

診断が確定した時点で、抗生剤よる治療が始まります。

通常は2週間程度続けて薬を服用すれば治ります。

それでもなかなかよくならず、その症状が3カ月以上続く場合には、慢性副鼻腔炎と診断されることになります。

慢性副鼻腔炎の治療では、マクロライド系に分類される種類の抗生剤を少量ずつ長い期間にわたって続けて服用する治療があります。

それと合わせて去痰剤を使用し、繊毛の機能を高める効果を促進します。

飲み薬で治療を続けてもなかなか良くならない場合には、手術で中にたまった膿を吸い出す事もあります。


副鼻腔炎の頭痛、どんな痛み?

痛む場所は先にお話しした通り、こめかみや目の奥、おでこなどです。

その痛みはドンと重たい感じで、頭を下げると痛みが強くなるのも特徴です。

実際に膿がたまっている場所をおさえたり叩いたりすると痛みを感じます。

頭とは違いますが、頬の痛みを感じる方も多いのではないでしょうか。

蓄膿による痛みの場合には、原因である副鼻腔炎が改善しなければ、頭痛はおさまりません。

薬が切れるとまた痛みが出てくるという点から、痛み止めの効果も低いと言えるでしょう。

もしかして副鼻腔炎かも?と思ったら、早めに耳鼻科を受診しましょう。


なかなか時間がなくて病院に行けないんだけど…

軽い風邪のように、自然に治るのでは?と思われる方もあるでしょう。

私たちの体には自然治癒力があり、ごく軽い炎症であれば副鼻腔炎も自然治癒するでしょう。

しかし、炎症の程度が強い場合には、薬による治療が必要です。

また、初めは軽度の炎症だったのに、病院を受診せずほったらかしにしておいた為に症状が長引き、ついには慢性副鼻腔炎になってしまった…なんてことにならないよう、自然に症状が改善しない場合には早めの受診をおすすめします。

まったく治療をせずほったらかしにしておくと、ひどい頭痛を起こしたり、においが感じられなくなる嗅覚障害になったりと、日常生活に影響を及ぼす危険があります。

もう手遅れ…の状態にならないよう、自己管理していきたいですね。


まとめ

今回は、よく聞く言葉「蓄膿」についてお話してきました。

意外にも頭痛の原因となることをお分かりいただけたでしょうか。

頭痛と長くお付き合いされている方の中には、なかなか治らない頭痛にお悩みの方もいるでしょう。

実はまったく別の所に原因があったという発見の手助けとなれば幸いです。

貧血による頭痛。重要なのは鉄分


何だか体がだるい…

それだけでなく頭痛も続いている…

そんな不調を年齢や体質だと思い込んで諦めて我慢していませんか?

その頭痛、原因は「鉄分」にあるかもしれません。

頭痛というと頭の病気を疑いがちですが、実は鉄分不足「貧血」の症状でもあるのです。


こんな症状はないですか?セルフチェック

  • どれだけ寝ても疲れがとれない
  • 朝から体がだるく、つかれやすい
  • 体を動かすと息切れがする
  • 気持ちが落ち着かず、集中することができない
  • 爪が割れやすい・へこんでいる
  • 肌荒れしやすい
  • よく頭痛がある
  • 氷が食べたくなる

これらの症状の中で、みなさんに当てはまるものはいくつありましたか?

実はこれ、貧血のセルフチェックです。

もしこれらの項目のうち2つ以上に当てはまる場合、貧血の可能性があります。


貧血ってどんな病気?

私たちの血液の中の赤血球に含まれるヘモグロビンとよばれる成分があります。

このヘモグロビンは血液の中で全身をめぐり、体中に酸素を届けるという大切な役割を持っています。

ヘモグロビンが届けてくれる酸素をもとに、脳や内臓、すべての臓器が働いています。

つまり、ヘモグロビンが足りなくなると、体中が酸欠状態に陥り、めまいや立ちくらみ、頭痛などと言った不調があらわれるのです。

実際には貧血であらわれる不調は、どうにか頑張ればやり過ごすことができる程度の症状であることがほとんどな為、つい放置してしまったり、気付かないなんてこともしばしば。

日ごろから貧血の状態が続いている人の体は、むしろその状態に慣れてしまっているために、症状を感じにくくなり、採血をしてみたら輸血が必要なほどの貧血だったということすらあります。

貧血には原因がたくさんあり、その種類は多岐にわたります。

その中でも今回は1番一般的な貧血である「鉄欠乏性貧血」についてみていきましょう。


鉄欠乏性貧血って?

鉄欠乏性貧血とは、体内に流れている赤血球に多く含まれるヘモグロビンと鉄分が欠乏することにより、酸素の運搬能力が低下し全身に十分な酸素が供給されず倦怠感や動悸・息切れ、頭痛などの症状がみられる貧血の種類の中でも最も多く特に女性に多い病気ですとされています。

原因は赤血球を作り出すために必要な鉄分の貯蔵量がたりなくなったり、なくなってしまうことにあります。

けがや病気による出血、女性の場合は月経などの、過剰な出血が一般的な原因として挙げられます。

それ以外にも、普段からの食生活や消化管の吸収機能の低下などもあります。

脱力感や動悸・息切れ、頭痛などが一般的な症状で、周囲の人からは顔が青白く見えたりします。

血液検査で鉄分の量を測定し、診断することができます。

体内にある鉄分を使いきってしまうには数カ月かかる為、その症状がゆっくりと進行するのが特徴です。

貯蔵された鉄分を使いきると、新しく赤血球を作り出すことが難しくなるため、血液中の赤血球数が少なくなるだけでなく、その1つ1つの大きさも異常なほど小さくなります。

検査で貧血と診断されたら鉄材を服用し、鉄分の貯蔵量の増加を目指します。


どうして貧血で頭痛が起こるの?

これはずばり、脳が酸欠状態になる為です。

貧血により十分な量の酸素が供給されなくなると、脳の活動に支障をきたし頭痛が起こります。

脳は全体の1/4の血液がめぐっていると言われるほど、その活動にたくさんの血液(酸素)を必要としています。

その為、貧血になると症状が出やすいのです。

こめかみの辺りがズキンズキンと脈打つように痛む片頭痛に似た痛みが特徴です。


貧血頭痛の対処法

目の前にある頭痛を何とかしたいという気持ちになりますが、1番大切なのは貧血を治す事です。

痛み止めも一時的には効果があるかもしれませんが、その場しのぎにすぎないので、根本の原因を取り除くようにしましょう。

病院を受診し、適切な治療を受けることが中心となりますが、それ以外にも日ごろから取り組めることについてお話します。

なんと言っても基本は食事療法です。

鉄分を多く含む食品を摂るよう心がけましょう。

良質なたんぱく質(肉・魚・卵・乳製品・大豆製品)を摂ること、鉄分を多く含む食品(レバー・まぐろ・めざし・納豆・小松菜・ほうれん草・ひじきなど)を取り入れましょう。

ビタミン B12 や葉酸、ビタミン C は血液を作るのに欠かさない成分です。

こちらも合わせて摂取しましょう。


まとめ

頭痛とは縁遠く感じる貧血ですが、実は身近で、かつ隠れている可能性のある病気ということがお分かりいただけたたでしょうか。

毎日の生活が忙しく、多少頭痛があっても病院に行くほどでは…と感じる方が多いかもしれませんが、貧血を放置すると様々な障害をきたす恐れがあります。

あまりに長く続く頭痛・その他に貧血に当てはまる症状がある場合には、我慢をせず早めに病院受診をおすすめします。

貧血は日ごろの食生活の改善が重要です。

これを機に、食事について見直してみて下さい。

低血糖による頭痛に対する対処法


頭痛はとにかく種類も原因もたくさんある!という事はみなさんご存じだと思います。

今回は低血糖に関連した頭痛についてお話します。

普段の生活で低血糖を意識して過ごしている方は少ないかもしれませんが、実は意外と身近な症状なのです。


低血糖とは?

人間の体は、すい臓から出るホルモンの働きで、血糖値を調節しています。

食事をとると一時的に血糖値は上がりますが、時間の経過とともに下がり、かつ一定のラインよりは下がらず維持するシステムがあります。

このシステムが乱れ、必要以上に血糖値が下がってしまった状態が低血糖と呼ばれます。

糖尿病の治療の過程で起こる低血糖は除外すると、この低血糖は不規則・不健康な食事を続けていることで起こります。

炭水化物や甘いもの、お酒を中心にした食事ばかりになってはいませんか?

空腹に任せて勢いよく食事をとってはいませんか?

少しでも思い当たる場合は要注意です。

低血糖の症状は主に、強い空腹感・動悸・冷や汗・眠気などです。

脳の活動に不可欠なブドウ糖が体の中で不足している低血糖状態では、脳は生命の危機を感じより活発な活動を促すホルモンのアドレナリンを分泌します。

その結果、上記のような症状を引き起こすのです。


低血糖頭痛、どんな痛み?

低血糖では頭痛を引き起こすこともあります。

先にお話ししたように、脳の活動にブドウ糖は欠かすことができません。

その為、低血糖状態になると脳の機能も低下してしまいます。

脳が生命の危機を感じアドレナリンを分泌することで、脳の血管を広げ、その血管の周囲の神経を圧迫することになり、頭痛を引き起こすのです。

低血糖頭痛は「血管拡張型頭痛」と同じ原理であり、その痛みは片頭痛の痛みに似ています。

ズキンズキンと脈打つような痛みが特徴です。


対処法

ブドウ糖や砂糖を摂取する

どちらも近くにない場合はソフトドリンクを飲んだり食事をしたり、とにかく何かを摂取すればよいです。

普段の食事内容を見直す

低血糖頭痛の原因は低血糖状態なので、痛み止めだけで治すことはできません。

空腹状態での痛み止めの使用は、胃の不調を招く原因にもなりうるので、避けて方がよいでしょう。

まずは原因となっている低血糖状態を改善することが第一優先です。

ブドウ糖や砂糖を摂取するのが一番効率良く吸収されるのですが、普段から持ち歩いている方は少ないですよね。

外出中などでなかなか近くにない場合は、カロリーのある何かを摂取しましょう。

もちろん一度に大量に摂取するのではなく、ソフトドリンクなら 200 ㎖程度、お菓子なら1回分の半分程度を目安にしてください。

血糖値は食後 30 分程でピークを迎えるほどのスピードで上昇します。

その為、少量で十分低血糖状態を改善することができます。

それとは別にもう1つ大切なのは、日ごろの食事を見直すことです。

食生活が改善されなければ、頭痛を繰り返し引き起こすことになってしまいます。

これを良い機会に、一度自分の食生活を見つめなおしてみてください。

低血糖になりにくい食事の方法として、「1日3食、規則正しく摂取する」「食事の際は炭水化物をとる前に、キノコや海藻類などの食物繊維をとる」「間食にはナッツや小魚などのたんぱく質をとるようにする」「調味料は昆布や煮干しなどの自然のものを使用し、人工甘味料や香料などはできるだけ控える」などがあります。

これらは頭痛のみならず、健康維持にとても良いことですので、ぜひ続けてみてください。


良くならない場合はどうすればいいの?

低血糖による頭痛の場合は、糖分を摂取し少し安静にしていれば、いずれ必ず症状は良くなります。

また、食事を見直し規則正しい食生活を実践していれば、頻回に低血糖頭痛を引き起こすこともありません。

一度起こった頭痛がまったくよくならない、またはどんどんひどくなっていく場合や、あまりに高頻度に頭痛を繰り返す場合は、低血糖頭痛ではなく他の病気が潜んでいる可能性が考えられます。

早めに病院を受診してください。


まとめ

つい仕事が忙しくて食事がとれていなかった、食欲に任せて好きなものばかりの食生活が続いていた…なんて状況、普段よくあることですよね。

頭痛が起こるとその辛さからつい痛みを取ることだけに目を向けがちですが、意外なことが原因で頭痛が起こっている場合もあります。

日ごろから健康への意識を高めるとともに、少しの豆知識でいざという時冷静に対処することができるのではないでしょうか。

あれ?なんだか頭痛が…そんな時、この低血糖頭痛も少し思い出してみてください。

脱水による頭痛の症状はどうして起こるの?


「脱水」という言葉、よく耳にしますよね。

きっとみなさん、脱水による頭痛を経験したことがあるのではないでしょうか。

今まではなんとなく、脱水だから頭痛がするのかな…と思ってきていたけれど、今回はその脱水に関連して起こる頭痛について、理由を説明したいと思います。


脱水ってどんな状態?

そもそも、脱水とはどのような状態でしょうか。

字のごとく、体から水が抜けた状態の事…と想像できますが、厳密には「体液が失われ、必要な水分と電解質が不足している状態」のことを指します。

人間の生命維持に欠かすことができない水分は、体重の 1~2%程度の減少であっても症状が現れ始めます。

水分量を一定に保つことが重要なのですね。


脱水の症状は?

では脱水になると、どのような症状が現れるのでしょうか?

初期の自覚症状として、「のどが渇く」「なんとなく体がだるい」「立ち眩みがする」「頭が痛い」ことから始まり、さらに症状が進むと「皮膚や唇、舌が乾燥してくる」「皮膚の張りがなくなる」「微熱が出る」などがみられるようになります。

ここまでの間にほとんどの人が水分をとるなどの対処をするのですが、それでも症状が進んでしまうと「頻脈になる」「血圧が下がる」「体の力が抜ける」「意識障害があらわれる」などの重症症状につながってしまうこともあります。

重症症状につながらないよう、適切なタイミングと、適切な方法で対処していく必要があります。


どうして頭痛が起こるの?

脱水状態で頭痛が起こる原因、それは「血管拡張」です。

体の水分が不足すると、血液はぎゅっと濃縮され、流れが悪くなってしまいます。

人間の体はどの臓器も血液をもとに活動している為、血液不足は大問題なのです。

特に脳には様々な複雑な働きがあり、たくさんの血液が必要となります。

そこで私たちの体は、少しでも血液をたくさん運ぶ為、脳の血管を拡張させるのです。

脳の血管が拡張すると、その周囲にある神経を刺激してしまいます。

結果、その刺激によって頭痛や吐き気が起こります。

主に吐き気を伴う頭痛には別の病気が隠れていると言われることも多いですが、脱水でも頭痛が起こるという事を頭に入れておくと、いざという時に冷静に対処できるのではないでしょうか。


対処法

では、頭痛があらわれてしまった場合の対処法についてお話します。

いますぐにでもその頭痛を何とかしたい所ですが、そもそもの原因は脱水状態である為、まずは脱水症状に対する対応が必要です。

はじめにお話しした通り、脱水とは水分と電解質の不足です。

その為、ただ単に水を飲んでいるだけでは電解質が不足しています。

水を補うことはもちろんですが、同時に電解質も補う必要があります。

ここで登場するのがみなさんご存じの「スポーツドリンク」です。

成分表を見てもらうと分かりますが、様々な電解質を含んでおり、脱水状態の体にはもってこいなのです。

少し気を付けたいのは、このスポーツドリンクには多量の糖分や塩分も含まれています。

糖尿病や高血圧などの持病がある方は、経口補水液をおすすめします。

もし気分が悪く一度に大量に飲めない時は、少しずつ頻回に摂取し、トータル量を増やしていきましょう。

次に頭痛についての対処法です。

血管が拡張することに伴う痛みなので、冷やすと楽になります。

涼しい場所で安静に過ごしましょう。

頭だけでなく、首筋やわきの下、足の付け根などの太い血管の通る場所を冷やすのも効果的です。

どうしても薬を飲みたくなってしまいますが、脱水による頭痛は二次的に起こっているものなので、頭痛薬はあまり効果的はありません。

それどころか、脱水で弱っている腎臓にさらに負担をかけることになってしまうので、グッとこらえましょう。

脱水状態が改善すれば、頭痛も必ず良くなります。


症状が治らない時はどうすればいいの?

水分補給をしたのにまったく症状が良くならない、またはどんどん悪くなっていく…

そんな時は、中等度以上の脱水状態になってしまっていると考えられます。

口から水分をとるだけでは、電解質の補正が追いつかない状態ですので、病院で点滴治療を受ける必要があります。

早めに受診するようにしましょう。


まとめ

頭痛はとても不快なもので、今すぐにでもどうにかしたいですよね。

サクッと頭痛薬を飲んでしまおうと考えがちですが、脱水による頭痛の時にはそこをグッとこらえ、適切な対処法をとりましょう。

必ず良くなります。

スポーツなど明らかな運動をしていなくても起こる可能性のある脱水。

みなさんの対処の参考にしてみてください。

いつもの頭痛に耳鳴りまで…脳過敏症候群との関係


いつもの辛い頭痛。

そこに今日は耳鳴りまで始まった…

となると、みなさんとても不安な気持ちになりますよね。

今回はその頭痛と耳鳴りの関係についてお話していきます。


そもそも耳鳴りってどんな現象?

耳鳴りとは、周囲の音ではなく、耳の中で発生している雑音のこととされています。

キーン・ピーなどの高い音もあれば、ゴー・ザーという低い音もあり、音の大きさや鳴る頻度は人によって様々です。

症状を表す言葉であり、これ自体は病気ではありません。

実際には多くは原因不明とされており、今もなお研究が続いています。


耳鳴りに関係する頭痛はどんな頭痛?

耳鳴りに関連する頭痛とは、ずばり片頭痛です。

片頭痛とは、脈打つような痛みやズキズキした痛みが特徴で、頭の片側に起こることもあれば両側に起こることもあります。

音や光に敏感になり、痛みが強い場合には吐き気や嘔気を伴うこともあります。

原因は、脳の血管が拡張し血流量が増加することにより、周囲の三叉神経を刺激します。

その刺激がもとになり炎症物質を産生することで頭痛が発生すると考えられています。

さらに、脳の血管を拡張させる代表的な誘因には、睡眠不足やストレス、天候の変化などが挙げられ、私たちの日常生活の些細な事も引き金となる可能性があるのです。

片頭痛が起こった場合の対処法は、とにかく安静にすることです。

また、血管の収縮を促すために、冷たいタオルなどで痛む場所を冷やすことも効果的です。

頭痛の起きている間は入浴を控え、光や音などの苦手な刺激の少ない環境で過ごすようにしましょう。

これらの方法でも治らない場合や、あまりにひどい頭痛で日常生活に支障をきたす場合には、トリプタン系と呼ばれる薬に効果が期待できます。

専門の頭痛外来や内科などで処方してもらうことができますので、早めに病院を受診しましょう。

片頭痛と耳鳴りの関係として、これから片頭痛が起こる前兆として耳鳴りを感じる方がいます。

それとは別に、片頭痛が脳過敏症候群の引き金になっている場合も多くあります。


「脳過敏症候群」ってなに?

あまり聞き慣れない言葉ですが、「脳過敏症候群」をご存じでしょうか。

これは、2011 年に東京女子医科大学脳神経外科の研究チームが発表した、頭痛に関する新しい概念のことです。

私たちの脳は日ごろから非常にたくさんの情報を伝達しています。

その情報を受け取ることで興奮状態となるのですが、通常は次第にその興奮はおさまり、もとの平静を取り戻します。

しかし、刺激がなくなってもなお脳の興奮状態が続くことがあります。

この状態を脳過敏症候群といいます。

最長でなんと 72 時間もその状態が続くこともあるのだとか。

脳過敏症候群の症状の代表的なものには、頭痛・耳鳴り・難聴・めまい・抑うつ感・不眠などがあります。

これらの症状に思い当たる頭痛はありませんか?

そう、片頭痛です。

脳過敏症候群の原因は主に片頭痛などの慢性的な頭痛とされています。

それとは別に強いストレス感が続いたことによる脳の過剰興奮もありますが、それほどのストレス状態は日常ではめったに起こるものではなく、主な原因としては片頭痛であると考えても良いでしょう。

片頭痛により過剰な刺激を受けた脳が過敏になってしまうのです。


対処法

片頭痛や脳過敏症候群、片頭痛は、その症状を緩和する治療も必要ですが、根本的な原因となっている自律神経の乱れを改善し、原因を解消することが大切です。

自律神経を整え片頭痛が改善すれば、脳過敏症候群や耳鳴りを引き起こしてしまう可能性はグッと低くなるのです。

十分な睡眠を確保する

質の良い睡眠で、体をしっかりと休めましょう。

深呼吸をする

私たちの体は、ストレスがかかると交感神経がよく働きます。それにより呼吸は浅くなりがちなので、意識的に深呼吸を取り入れ、神経のバランスを整えましょう。

軽い運動をする

体を動かすことでストレス発散になるだけでなく、適度に疲れることで、より良い睡眠を促します。

規則正しい生活を送る

寝起きの時間や食事の時間はできるだけ一定にすることで、自律神経のバランスが整います。

趣味を楽しむ

ストレス発散で心を休めましょう。

ぬるめのお風呂にゆっくりつかる

シャワーだけで済ませるよりも、ゆっくりと湯船につかることでリラックスでき、血行もよくなります。

一度に全部は難しくても、どれか1つからなら始められそうですよね。

今まで悩んできた頭痛や耳鳴りとさよならできるチャンスかもしれません。

取り組んでみる価値ありです!


まとめ

聞き慣れない言葉もいくつか出てきましたが、私たちの脳はとても繊細で複雑な働きをしていることが改めて分かります。

ほんの小さな心掛けで、頭痛や耳鳴りなどの不快な症状から解放されることができたら、とても幸せですよね。

ストレス社会と言われている現代では、様々な事柄が乱れがち。

ご自身の生活を見直すきっかけにしてみてください。

まさか!?お天気(気圧)が原因の頭痛があったなんて…


「季節の変わり目、どうぞご自愛ください」という挨拶、よく使われていますよね。

寒暖差が大きいこの季節、体調をくずしやすいので注意が必要です。

けれどもそもそも、どうして寒暖差で体調が悪くなるのか、不思議に思いませんか?

今回は、そんな不思議を解消したいと思います。


お天気頭痛ってどんな頭痛?

ロート製薬が実施したアンケートによると、約 60%の人が気圧(気圧)の変化によって、頭痛などの不快な症状を感じると回答しています。

気象病の代表症状である頭痛に悩まされる人は少なくありません。

人は、耳の奥の内耳という場所で平衡感覚を保っています。

この内耳が、天気による気圧の変化を感じる際に、過剰に反応してしまうことで、交感神経と副交感神経からなる自律神経のバランスが乱れます。

自律神経のバランスが乱れると、交感神経が強く働く状況となり、頭痛の症状が出現するのです。

つまりは、内耳が敏感な人ほど、天気(気圧)の変化による頭痛が起こりやすいと言えるのです。

医療機関の頭痛外来におけるお天気頭痛の患者さんの比率は男性1:女性2と言うデータがあります。

一般に、男性よりも女性の方が自然への感受性が高いとされており、お天気頭痛が女性に多いのもうなずけます。

もう1つの原因として、東洋医学の考え方もあります。

東洋医学において、雨などの湿気が原因で起こる影響のことを「湿邪」と考えます。

湿邪は体の中の水の流れを滞らせ、「水滞」という状態を引き起こします。

水滞の状態では、体のむくみが強くなり、そこに血管が拡張すると周りの神経を刺激し頭痛を引き起こすとされています。


お天気頭痛の痛みってどんな痛み?

お天気頭痛と呼ばれる、気圧の変化によって生じる頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛の2種類があります。

片頭痛の痛みの症状の特徴は、多くが頭の片側に痛みが起こり、ズキズキと脈打つような痛みが続きます。

その他にもこめかみや後頭部が痛み、吐き気を伴うこともあります。

緊張型頭痛の痛みの特徴は、頭全体がぎゅっと締め付けられることです。

この頭痛は血管の拡張とは関係がなく、首回りの筋肉が凝り固まってしまうことが原因です。

同じお天気頭痛でも、天気(気圧)の変化の影響が血管に起こる人と、筋肉に起こる人がいて、自律神経のバランスの乱れ方が違います。


お天気頭痛を防ぐ方法はあるの?

お天気頭痛には、痛み止めの服用で症状の改善が期待できます。

気圧の変化が原因で起こるので、そもそもの原因を取り除くことは難しいですが、起こってしまった頭痛に対する対処はいくつかあるのでご紹介します。


片頭痛の症状の場合

とにかく安静にして過ごしてください。

片頭痛の痛みに対して1番効果があるのは、睡眠とされています。

音や光などの苦手な刺激のない静かな環境で、ゆっくりと休みましょう。

血管の拡張が原因で起こる痛みなので、体を温めすぎると痛みが強くなる恐れがあります。

痛む場所を冷やすなどの対処も効果的です。

片頭痛の場合、一般的に薬局で手に入れることができるタイプの痛み止めは効果が低いかもしれません。

一度病院を受診し、片頭痛用の頓服を処方してもらっておくとよいかもしれません。


緊張型頭痛の場合

耳回りをあたためる

ホットタオルや温かいペットボトルを当てると良いでしょう。特に寒い季節では、日ごろから、イヤーマフや帽子などで耳を冷やさないよう工夫することも有効です。

耳回りをマッサージする

両耳を手でつまみ、上下や横に引っ張ったり回したりしましょう。耳全体を手のひらで覆い、後ろ方向に円を描くように回してみるのも効果的です。

耳周囲の血行が良くなり、内耳の状態が改善されます。これは予防にもつながるので、頭痛の症状がなくても1日3回程度続けてみてもよいでしょう。

体質改善

朝起きたら日光を浴びる、食事を1日3回規則正しくとる、日中に運動をする、入浴はぬるめのお湯でゆっくりと、寝起きの時間は一定にするなどで、自律神経を整えましょう。お天気頭痛だけに限らず、健康増進にもつながります。


まとめ

目に見えない天気(気圧)の変化が原因で起こるお天気頭痛。

もしかして私の頭痛はお天気頭痛だったかも!と当てはまった方が多いのではないでしょうか。

人間の力ではどうにもできないお天気ですが、もし頭痛が起こってしまっても、1つずつ冷静に対処していけば、慌てる必要はありません。

今すぐにでも何とかしたい頭痛、そのタイプを見極め、役立ててください。

その頭痛、実は眼精疲労かも?正しく対処をするために


現代人はパソコンやスマートフォンなどのデジタルデバイスに使いすぎと言われています。

実際のところ、これらを遮断した生活を送るなど、考えられないと言ってもいいほど。

それに伴う目のトラブル「眼精疲労」や「ドライアイ」もぐんと増えているのが現状です。

実はその目のトラブルから頭痛を引き起こすこともあるようです。

その中身についみていきましょう。


眼精疲労って何?

眼精疲労とは、目を使った作業を続けることで、眼の痛み・かすみ・充血などの症状や、頭痛・吐き気・肩こりなどの全身症状が現れ、十分な休息をとってもしっかり改善しない状態のことです。

その他に、メガネやコンタクトレンズの度が合っていない、加齢、ドライアイ、緑内障や白内障・斜視・斜位・眼瞼下垂などの目の病気、精神的ストレスなどからも眼精疲労を起こすことがあります。

さらに、これらの症状のいくつかが重なって症状が悪化することもあるので、ひとつひとつを治療していく必要があります。


眼精疲労はどうして頭痛を起こすの?

主に、目を使った作業を続けることで起こる眼精疲労が、頭痛を起こしやすいと言われています。

眼の周りの筋肉に過度の負担がかかります。

その結果、毛様体節と呼ばれる目のピントを調整する場所に疲労が生まれ、自律神経のバランスを乱してしまうことで頭痛の症状が現れます。

一般的に、眼精疲労が原因となる頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛の2種類があるとされています。


眼精疲労からくる頭痛はどんな特徴があるの?

  • 鈍い痛みが一日中続く
  • 頭全体が締め付けられるような痛みがある
  • 肩や首が凝る
  • 軽いめまいを伴うことがある
  • 温めると痛みがやわらぐ

これらの症状に当てはまる方は、眼精疲労により緊張型頭痛を起こしています。

マッサージやストレッチを取り入れ、主に首回りの血流を良くする、蒸しタオルなどで首や肩を温める、適度な運動を習慣にする、ストレス解消を心がけるなどで対処できます。


  • ズキンズキンと脈打つように強く痛む
  • 月に1~2回起こる
  • 頭痛が起きる前に、チカチカとした光のようなものが見える
  • 体を動かすと痛みは悪化し頭に響く

これらの症状にあてはまる方は、眼精疲労により片頭痛を起こしていると考えられます。

片頭痛が起こったら、とにかく安静にして過ごしましょう。

睡眠をとると症状がやわらぐことが多いです。

その他に、冷たいタオルなどで痛い場所を冷やす、入浴は控える、音や光の刺激を避けることなども効果的です。

眼精疲労による頭痛は、眼を使えば使うほど悪化してしまいます。

改善のための1番の対策は、目を休めることです。

起きてしまった頭痛に対処できた後は、そもそもの原因である眼精疲労を起こしにくい生活習慣を身に付けられるよう心がけましょう。


眼精疲労の対処法

食事の工夫

目に良いとされている食品を摂るよう心がけましょう。B6,B12,BEなどの栄養素が良いとされています。

代表的な食べ物はウナギ、レバー、豚肉、ブルーベリーなどです。

たくさん摂ればよいというわけではないので、毎日の食事の中に継続的に取り入れていきましょう。

ツボを押す

目頭の内側やや上方のくぼんだ場所にある「晴明」と呼ばれるツボや、後後頭部首の付け根の、生え際よりも指1本分ほど内側に入り、骨の横の柔らかいくぼみにある「風池」と呼ばれるツボ、などを押してみましょう。

じっくりゆっくり行うことで、眼精疲労の改善につながります。

目の体操をする

瞬きを我慢した状態で目を右回りや左回り両方にぐるぐると回す、目の前に指1本を立て、その指をじっとみつめた後、今度はその視線を遠くにするという動作を繰り返し行う、などの動作を繰り返すと、徐々に目がすっきりとしてくるでしょう。

まぶたを温める

血流をよくすることで、目の疲れが言えます。

同時にリラックス効果も期待できるので、就寝前のルーティーンとしてもオススメです。

とにもかくにも安静にする

眼精疲労を感じたら、とにかく目を休ませることが大切です。

血行促進のために温めることも非常に効果があります。


まとめ

眼精疲労と頭痛、私たちの生活とは切っても切れない縁があることがお分かりいただけたでしょうか。

知らない間にデジタルデバイスに触れることはとても多いので、家族でお互いの生活について話し合ってみるのもいいかもしれません。